UK版 ドラァグ・レース シーズン3 エピソード1 “The Return of Royalty”の感想。後編です。長い!
※ネタバレ注意!
※訳が正確ではないかもしれません。
前編です。↓
メインチャレンジ:Queen of Your Home Town and My Favorite Things
いつもの「自分のホームタウン」、そして「一番お気に入りのもの」というテーマのふたつ。
みんな良かったので全員分載せます。
スコーン
ホームタウン:モチーフとなった水仙はウェールズの国花なんだそうです。「ウェールズのカーディフでヴィクトリア・スコーンは花開いた」という上手いコメント。
I didn’t get a chance to say but I also made the petals of my daffodil for my Hometown runway 🥺
— Victoria Scone BLACK TRANS LIVES STILL MATTER (@VictoriaScone) 2021年9月27日
Heat moulded and spray painted!
Thanks GCSE art pic.twitter.com/HSAfupZkgv
Twitterに制作時の様子を載せていました。花びら部分を1枚1枚作っていて、手間暇かかってますね。こういう、一から自分で作るDIY感がドラァグの面白さ、大変さなんだろうなと改めて思いました。
お気に入りのもの:アフタヌーンティースタンドをモチーフに、伝説のドラァグ・クイーン、リー・バウリーにインスパイアされたメイク。なぜ、アフタヌーンティーがお気に入りのものかというと、「恋人の誕生日にアフタヌーンティーへ連れて行って『私のGFになってほしい』と言った」という素敵な思い出があるからだとSNSで語っていました。
キティ
ホームタウン:バーミンガムは老舗のチョコレート店、キャドバリー (Cadbury) の発祥地ということでチョコレートのモチーフ。Cadburyのロゴは紫とゴールドが基調になっているので、キティはこれをベースにしたんでしょうね。
お気に入りのもの:ミュージック・グループABBAがテーマ。キティはエピソード1をしっかり生き残れるような手堅いイメージのルックだなと思いました。
エラ
ホームタウン:ルーとミシェルの会話からすると、エラのドラァグ・ネームはhell of a day(地獄のように嫌な一日)というフレーズを文字ってるんですかね。女性が男性と同じ賃金を求めた1968年のフォード縫製機械工のストライキがモチーフです。これは、1970年の賃金平等法成立に繋がる出来事なんだとか。だからSEX EQUALITYだったんですね。勉強になります。
60年代風ですが、ストライキした女性たちは労働者階級だったのでエクストラバガンザ!にはしていないそうです。
お気に入りのもの:プログレス・プライド・フラッグ、つまり虹のモチーフです。グラハムがテクニカラーと言っていたのは映画『オズの魔法使い』で用いられた彩色技術。プライド・フラッグが虹なのは同映画が由来です。ちなみに、従来の6色から色が追加されているものを“プログレス・プライド・フラッグ"と呼ぶそうです。
February is #LGBTHM21
— Birmingham Pride (@BirminghamPride) 2021年2月7日
2018 - Daniel Quaser added his touch to the pride flag version designed by Amber Hikes and the ‘Progress flag’ was born. pic.twitter.com/K2pbcZ3u9d
2017年、フィラデルフィアのLGBT事務局は、色のある人々を認識するために、プライドフラグに黒と茶色のストライプを追加しました。
1年後、Daniel Quasarというアーティストが、ソーシャルメディアで広く共有されているProgressPrideフラグと呼ばれるPrideフラグの再設計をリリースしました。
LGBTQ +コミュニティ、トランスコミュニティ、HIV / AIDSとともに生きる人々を表すために、黒、茶色、ピンク、淡い青、白のストライプが含まれていました。
人生の3分の2を「ストレート男性」になろうとして自分の頭の中にある考えや感情をロックして過ごしていたというエラ。今は前よりも自分を誇りに思うことができるんだそうです。このルックを見て、自分が誰であるか、そして自分の望む人生を送れるようにインスパイアしたいと言っています。
ルックに込められたメッセージがかなり濃くて、背景を知ると印象が変わりますね。今のところとても真面目そうに見えるんですが、今後どんな一面を見せてくれるのか…
アヌビス
ホームタウン:ブライトン・パレス・ピア*1のヘルタースケルター(巨大滑り台)がモチーフ。赤と白、水色もヘルタースケルターで用いられている色の組み合わせです。
#HelterSkelter a 1968 Beatles song and you can watch @BootlegBeatles @BTNPalacePier on 5/6 September as part of #pierfest Tickets: https://t.co/YCMurHJbfA pic.twitter.com/EA5sH6g4Pf
— Brighton Palace Pier (@BTNPalacePier) 2021年8月16日
色合いが好きだし、ドリルみたいな(言い方)ヘアスタイルも好きでした。アヌビスのキャラクターにも合っている気がします。
お気に入りのもの:海の生き物がモチーフ。特にイカ、だそうですが確かに遠目でルック全体を見るとイカっぽいです。亡き父親と水族館に行った思い出が込められたルックということでしたが…残念ながらジャッジにはウケが良くなかった…
リヴァー
ホームタウン:メドウェイにあるThomas Fletcher Waghorn*2の銅像を再現。いたずらなのか?よく三角コーンが頭や手に被せられてるようで…講評でも言われていましたが、すごいのはその三角コーンのとんがり部分がウィッグでできていること。魔女風にアレンジしてるのも面白いですよね。
ルーが大ウケしてましたし、早速memeになりそう。すでにmerchも出てます。銅像の観光地スポットとしての人気も大きくなりそう。
お気に入りのもの:テーマと上手く合ってるとは思わないですが、かわいいなと思いました。裁縫が得意なので、こういうランウェイも無敵かと思いきや表現方法を工夫しないとボトムになるよ!というのがドラァグって本当に難しいとつくづく…(というかDRが)
クリスタル・ヴェルサーチ
ホームタウン:顔を大写しにするカメラさんはわかってますね。ホームタウンであるケントとの関連性はあんまり語られてませんでしたが、調べたらケントには自然公園や庭園がいくつかあるみたいですね。
お気に入りのもの:いや顔が異次元過ぎますね…隙がないです。FPRでレイヴンが「どこかで見たことある、自分そっくり」と言っていましたが確かに似ています。正直、ウィナーだなこれは…と、うなっていましたが…?ランウェイでのプレゼンも楽しんで生き生きとしてやっていて、手強さを感じます。
③へ続きます。次で最後です長くなってすみません。
*1:昔からある遊園地のようなところみたいです
*2:エジプトを経由する方法を考案し、イギリス~インド間の航路短縮を実現したThomas Fletcher Waghorn - Wikipedia