『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』シーズン3第13話“メーデー”の感想です。
いよいよシーズン3最終回。ジューン達の計画は成功するのでしょうか。
※思いっきりネタバレあり。
計画決行!
ここで、今まで描かれてこなかったジューンがギレアドに連行された時の回想が冒頭に登場。
女性だけが集められ、トラックに詰め込まれる様子はまるで家畜かなにかのよう…一緒に乗り合わせたのはジャニーンなんでしょうか。片目を失う前は彼女もとても強気な性格だったのを思い出しました。
時系列は現在に戻りローレンス邸。女中シエナがジューンに触発されてか、一念発起。仲間に加わることに…でもイーデンの件を思い出すと若い命がまた散ってしまうのではと不安になりますね。
やむを得ずではありますが、幼い女の子に自分が銃を向けてしまったことにショックを受けるジューン。肝が据わっている彼女もまた、ギリギリのところで踏ん張っているということが伝わりました。
計画は何度か頓挫しかけますが、ジューンの強い意志によってついに実行されることになります…
ウォーターフォード夫妻の行く末
セリーナに裏切られた形になったフレッドは、仕返しとばかりに彼女を告発しました。あれだけ親切だったアメリカ政府の人間も手のひらを返します。露骨過ぎるでしょ…と思いましたが、ギレアドでは良くあること(ジューンを診察した医者が精子提供を申し出ていましたし)…でも他の国では異常ということなのかもしれません。 強姦幇助の罪になるのかな…?
折角1人で外出できる許可が出たのに…エスコートなしで出歩けるという喜びをかみしめていたセリーナは一気に絶望へ。
最終回にして因果応報な展開に収まってますね…スッキリしたという視聴者も多そうです。
輸送機でカナダへ
地下に集まった子供達に本を読んで聞かせるローレンス司令官。ギレアドのシステムを作った内の一人ではありますが、心から憎むことができない人間でした。計画ではエレノアと共にカナダへ行くことになっていましたが、彼女亡き今、彼は一人残ることを選ぶのでした…それにしても良くこんなに陰で動いていてバレないものだ…
今回の一番の見どころは、いかに輸送機を無事に飛ばすかという侍女と女中の決死の行動。まさかあんな方法で対抗するとは…原始的ではありますが数で押す形ですね。
輸送機を待ち受けるのはエミリー、モイラ、ルーク。
ハンナを懸命に探すルークの姿に心が痛みます…ジューンもいなかったので彼の苦しみはまだまだ続くということですね…
レベッカは偶然父親が居合わせたようで感動の再会を…って偶然すぎるのではw
彼女の「好きな服を着られますか?」というようなセリフはちょっと意外に思いました。ギレアドの子供ってもっと洗脳されてる感じなのかなと思っていたので。
一方、敵を引き付けるための囮になったジューン…目を開けて横たわっているのでまさか…と思いきや、まばたきをしたことで生きていることが分かります。上手い演出だなと思いました。
ジャニーンが「心配しなくて大丈夫だよ」と声をかけていて、いつも助けられる側からジューンを助ける側になったことが嬉しそう。ジャニーンはやっぱり今回もかわいくて、「これ、あげる♪」というシーンも含めて癒しでした。
エンディング曲
厳かに侍女達によって運ばれるジューン。その表情はやり遂げた安堵と誇りで穏やかなものです。
そのシーンで流れていたのは マジー・スターの『Into Dust』。
"I could feel myself under your fate"(あなたの運命の下で自分を感じることができた)というフレーズが意味深ですが、運が味方してくれたとしか思えないジューンの顛末は見えざる者(神?)の力が働いているのかも…という示唆を感じました。
2019年7月にはシーズン4の製作が発表された本作。
ギレアドに残ったジューン、そしてジョセフ・ローレンスは今後どうなるのでしょうか。まだまだ彼女達の戦いは続きます…
さて、途中間が開いてしまいましたが、なんとかシーズン3の感想を終えました。シーズン1,2の衝撃を上回ることはないものの、魅力的なキャラクター(ローレンス夫妻など)の登場、そしてジューンのモンスター化(ボス化)は観ていて面白かったです。
異常な環境でいかに自分を保つか…?
ジューンはギレアドに適応しつつも、罪のない子供達の未来を救おうという強い意志を捨てることはありません。犠牲者の命を背負っているのだというセリフがありましたが、そのプレッシャーに負けずに懸命に(文字通り命をかけて)子供達を逃がすことを見事成功させた彼女には拍手を送りたいです。
最後にシーズン3でのジューン名セリフ集を貼っておきます。キャプションには"kicking ass and taking names. "(次々に成功していくこと、飛ぶ鳥を落とす勢いのような)と書いてあるので、必殺の口撃(こうげき)とでも言うべきでしょうか。
■関連記事