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【感想】『総務部長はトランスジェンダー 父として、女として』【本】

ドラマ化が話題になっていたので原作を読んでみました。

  

どちらかというとネガティヴ寄りな感想。当然ながらネタバレあり。

 

40代後半で女性になりたいと決意し、行動し始めた著者の自伝です。

 

正直、どうしても奥さんの気持ちを考えると苦しくなるのですが…何の相談もなしに睾丸摘出手術して事後報告か…とか。そんな大事な事を隠されてた気持ちを思うと辛い。

 

著者が奥さんの気持ちをないがしろにしてるというか軽く考えている様子に感じた。あるいは楽観的すぎるのかも。おいおいそれはダメだろ…と思ってたんですが一応離婚歴あるTG女性から「ちゃんと奥さんと向き合って」と厳しく促されて少し改心してるようで救われたかな… 

 

著者の恋愛対象は女性だそうですが、奥さんのことはパートナーとして対等に見ているのでしょうか?著者の考え方が家父長制をひきずったままのものなのですっきりしないです。ここは本当に。家事・育児してる描写があんまりないのもモヤるんですが、そこらへんもどうなのか。 

 

辛うじて離婚は免れているけど子供が成長した後はどうなるか分からないよなーと思ってしまった。自分だったら別れるかもしれない。人生を左右する大事な事を相談せずに決められた、蚊帳の外に置かれたという点でお互いの信頼関係が崩れてしまうと思うので。「ああこの人は私のことはどうでも良いと思ってるんだな」と。あくまで自分だったらという話ですが。 

 

子供に対する責任を放棄していない点は(当たり前だけど)良かったと思います。二重生活も自分なりに出したベストな答えなのかもしれないし、非難するつもりは私にはありません。 

 

著者は周りに非常に恵まれており、カミングアウトした当時、勤め先の親会社(電通)がダイバーシティ推進施策を始めたばかりだったりシチュエーションがやや特殊ではあると思う。もちろん人事部長に根回ししておいたり、前もって歓送迎会に女性姿で登場してみたりと本人の工夫や努力も無視できませんが。 

 

良かった点としては「女子トイレ」問題。パス度が低いうちは入るのを躊躇しており、多目的トイレを使用。完パス状態+女友達と一緒でやっと女子トイレに入る勇気が出せたという描写があったりして「実際のところどうなのか?」という尋ね辛い部分が知れてよかったです。 

 

後は「自分は性同一性障害GID)ではない」という主張に驚きました。この本では「心と体の性が一致しない状態がGID」と説明してあり、著者は「自分は心と体の性が一致していないという意識は無かった。ただ女性になりたかった。だからGIDではない。」と述べています。そういった考え方もあるのかな?と興味深く読みました。 

 

アマゾンのレビューを覗いてみたんですが、★5ばかりですごいですね。文章はとても読みやすいですし、すんなりあっという間に読めたので良作ではあると思います。ただやっぱり奥さんの気持ちを思うと手放しで絶賛はできないです。ドラマは多分観ないです。