『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』シーズン3第2話『マリアとマルタ』の感想です。
※思いっきりネタバレあり。
・書きたい部分の感想しか書いていません。
2019年エミー賞で3部門を受賞
ジョセフ・ローレンス司令官役のブラッドリー・ウィットフォードがゲスト男優賞を受賞。
hulu japan配信分にはまだ登場していませんが、ホリー・マドックス(セリーナ母)役のチェリー・ジョーンズ がゲスト女優賞を受賞しました。
シーズン3は他にも現代劇部門プロダクション・デザイン賞を受賞したそうです。
夜の時間帯の番組を対象としたプライムタイム・エミー賞 での受賞。
シーズン3はまだ2話しか観れていないのでピンとこない部分がありますが、ドラマ内でどんな演技を見せてくれるのか楽しみですね。
タイトルについて
タイトルのマリアとマルタは、どちらも新約聖書の登場人物なんだそうです。
マリアは聖母マリアではなく、同名の別人です。ただ、マグダラのマリアとは同一人物とみなされる場合もあるようですね。
一方、マルタはマリアの姉として登場します。
マリア(ベタニアのマリア)は、新約聖書に登場する女性。イスラエルはエルサレムの近郊、ベタニアに弟ラザロ、姉マルタと共に暮らし、イエス・キリストと親しかった。
(中略)
イエスが彼女らの家を訪れた時、迎えた姉マルタが接待のことで忙しくしていたのに対し、妹マリアはイエスの語る言葉に聞き入っていた。この姉妹の態度の違いは、伝統的に「活動的生活」と「観想的生活」を表すものであると考えられてきた。
マルタ(ベタニアのマルタ)またはマルファは、新約聖書に登場する女性でキリスト教の聖人。マルファは日本ハリストス正教会での読み方。
(中略)
絵画などで表現される場合、聖書ないし聖人伝の記述が含まれた図像で描かれ、ひしゃく、箒、鍵束などを持つ。また、主婦や手伝いをする姉妹の守護聖人とされる。
これにちなんでか、ギレアドでは女中をマルタと呼びます。
では、マリアは誰のことなのか…侍女を示していると考えられそうです。
あるいは「妻」のことなのか。
聖書について詳しくないので、タイトルが意図していることはくみ取れないのが残念です。
リディアおば復活
楽しみにしていたリディアおばの再登場。
杖をつくようにはなっていましたが、命に別状はなさそうです。
ただ精神的にはダメージが大きかったのか、イライラを八つ当たり的にぶつけられるジェーン。怪我をして弱っていても、リディアおばはリディアおば…
エミリーの行動はローレンス司令官のせいだと思っているようですね。どうやら彼のことを疑っているようです。今後、ジェーンだけでなく、ローレンス司令官にとっても要注意人物となりそうです。
意外にも声を荒げることが少ないリディアおばが、ドスの聞いた声を出していてちょっと驚きました。
ローレンス夫妻は味方なのか?
リディアおばに理不尽な攻撃をされたジェーンに対して、労ったり気遣ったりせず「あの警棒は何ボルトあるんだ?」とボヤくローレンス司令官(笑)彼の不器用な性格が伝わるセリフだと思いました。
エミリーが初めてローレンス家に訪れた時も描写されていましたが、ジョセフ・ローレンスはこれまでに登場した司令官の中では異色。いわゆる"変人"といった扱いのようです。秩序の塊のようなウォーターフォード家とは対照的な家の中が描かれていました。
また、ローレンス家の女中であるコーラとのやり取り覚えていますか?
「ぶたれたいか?」「やってみれば」という主従関係にしては砕けたものでした。他の家の女中がこんなことを言えば大目玉をくらうでしょう。
淡々として見えるローレンス司令官ですが、彼がこの回で唯一 激昂したのが妻エレノアの話題に触れられた時です。
彼がエミリーやジューンに対して便宜を図った背景には、妻の存在あるのかもしれません。「コロニー」を作ったことを責めるエレノアに対しての贖罪という気持ちからという可能性もありそうです。
ジューンを侍女に迎えたことを後悔して、後始末を彼女一人にさせるなど厳しい態度をとっていましたが今後もそれは続くのでしょうか。 『ハンドメイズ・テイル』の登場人物は善悪では分けることができません。ローレンス司令官はまさにそういった複雑な存在です。
一方、妻エレノアはどんな人物でしょうか。ジューンたちの行動を見て見ぬふりをしている彼女。エミリーに対して「妻」ではなく普通の人間として接することを望んでいたので、彼女はジューンたちにとって味方となる可能性が高そうです。
エミリーのカナダでの暮らし
カナダに無事たどり着いたエミリーとニコール。
モイラが言っていた通り、すぐに「ハッピーエンド」とはいかないようです。
不安そうな彼女の状態はギレアドでの過酷な体験を考えると無理もありません…
ギレアドで変わってしまった…変えられてしまった自分を妻は受け入れてくれるだろうか。そんな苦悩がうかがえて心が痛みます。
ジューンの夫ルークはそんなエミリーの状態をジューンに重ねて複雑な心境のようです。また、ハンナを助けずにカナダへ渡ったことに罪悪感を持っています。
ギレアドに残って戦おうとしているジューンに比べて自分はなんて情けないんだ…
そんな負わなくてもいい引け目を感じるルーク。彼もまた、ギレアドの被害者です。
ここではモイラがルークとエミリー、両方の心情を慮って取り持っていました。明るく笑う彼女も大切な人を亡くした悲しみ・苦しみを乗り越えています。彼女も幸せになって欲しい人物の一人ですね…
前回から私が強く望んでいたエミリーの妻子との再会…それを予感させるラストで第2話は終わりました。は、早く第3話で「エミリー良かったね!!(号泣)」と安心させてくれ~
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