※2017年に書いた記事です。
ブリちゃん来日ということで例の暗黒期のアルバム「BLACKOUT」を聴きなおしていた。
ブリトニーは3rdアルバムからストレートなPOPSを脱して、色んなジャンル(レゲエ、テクノ、R&Bなど)がごちゃ混ぜになった4thアルバム「In The Zone」をリリースしています。日本でもよくありますが、ある程度売れたアイドルが自我に目覚めて、音楽でも自分の好きなことをやりたくなってしまった時期ですね。
このアルバムはあまりに色んな種類の曲が混在しており、まとまりがなく、シングル曲以外はキャッチーさには欠けていました。セクシーさも強調するようになった時期だった関係か、スローテンポな曲ばかりです。
「TOXIC」が大ヒットしたのでここからファンになった人も多いと思うのですが、収録されていたこのアルバム自体は実験的で、取っつきにくいものですので人には勧めにくいです。
しかし、その次にリリースされたこのアルバムは全体的にクラブミュージック系でまとまっておりノリが良くて聴きやすいと思います。
雰囲気もダークでまさにアルバム名通り。
荒れた私生活と反比例するように大ヒットを記録しました。
私はブリトニーの全アルバムで3rdアルバムの「BRITNEY」とこれが特に好きです。
ブリトニーの少し粘り気があるキャンディボイスが無機質な曲群と合ってます。
あと、このアルバムのほとんどの曲を担当したプロデューサーDanjaが度々低くコーラスで歌っているのですがブリトニーの高い甘い声と相性がいいです。
(ちなみに、このdanjaは同時期にブリトニーの元カレ、ジャスティン・ティンバーレイクやミッシー・エリオットの曲をプロデュースしてヒットさせたティンバランドの右腕です。)
歌い方も自分の声の良さを生かしたような歌い方で、曲によってかわいらしかったりセクシーだったりとうまく歌いこなしていて聴いていて小気味よいです。
日本版のボーナストラックに至るまで、捨て曲がない本当にお勧めのアルバムです。
さて、今回は一番最後に収録されている「why should I be sad」という曲について。
歌詞を読むと離婚相手、ケヴィン・フェダーラインへ歌った内容なのですが、(想像通りやっぱりどうしようもないヒモ男だったんだなあと感じましたw)
「サヨウナラ そろそろ前に進むわ サヨウナラ 楽しくやるわ 悲しい歌はもうたくさん いいの 今こそ私の時」
といった決意も自分へ告げている。
そこへ「Britney Let's Go!」というこの曲をプロデュースしたファレル・ウィリアムズの声が被さるように入るのですが、この声援を送るような声にファレルの優しさを感じて泣きそうになりました。
ファレルといえばブリトニーの代表曲「I'm a Slave 4 U」と「Boys」をプロデュースし、ヒットさせた過去があります。
ブリトニーが奇行で騒がれていた時、マスコミはファレルにもこの件についてコメントを求めますが、ファレルは
「ほっといてあげようよ。彼女はホントはいい子なんだから。確かに彼女は世間の人が賛成しないような決断を下しているけど、それは彼女にいろんなプレッシャーがあって、誰もがそういう時期があるんじゃないかな。」
と彼女を庇うような返事をしています。
当時、中には面白がって笑いのネタにする人たちもいましたが、大体の同じ業界の歌手やタレントはパパラッチの酷さを知っているため、ブリトニーへ同情的でした。
実際、パパラッチのブリトニーへの執拗で悪質な追跡、報道は異常で、そのストレスと私生活が上手くいかないことが重なって奇行へと繋がってしまったのです。
私が一番酷いと思ったのは自宅の外で、飼い犬を抱いて座り込んで泣いているブリトニーを取り囲んで「一人にして」と言われても無視してフラッシュを焚き続け追いかける場面です。
お前らの血は何色なんだと問いたくなります。
私は日本のTVでブリトニーの奇行の部分しか報道せず、面白おかしく笑いものにしていることがずっと悲しかった。
事態は笑えるものじゃなくて、ずっと悲劇的だったのに。
未発表曲ではありますが、同じくファレルがプロデュースしている曲「sugarfall」もかわいらしい曲で大好きです
自身がソロで大成功した今、なかなか機会がないでしょうが、またファレルがブリちゃんに曲を作ってくれる日がくるといいな。